田舎度チェック

・・・ジャーナリズム研究会田舎トレンド研究班・・・

 90年代下半期は、誰が何と言おうと田舎の時代となる。田舎がクローズアップされていく時代なのだ。
 しかし、「じゃ、カントリーボーイの俺様の時代だな」とヌカ喜びしているそこのお前、お前だよ。自分こそ田舎者だと豪語して憚らないお前は、まだまだパセリな野郎だな。そんなサッカリンのごとき甘き考えでは、これから下克上の田舎の時代を生き抜くことはできぬぞ。
 なに!?余計なお世話だと?それ程までに自分の故郷の田舎ぶりに自信があるのか?
 よし。以下は、J研「田舎トレンド研究班」の誠意制作した「本当の田舎」チェック表だ。もし、この表のほとんどにチェックをつけられたら、俺のところへ来い。まあたぶん、お前の自信はタンポポの綿毛のように吹き飛んでいくだろうがな。

上下水道がない。井戸水である。
トイレがボットンである。
トラクターが当然のように公道を走る。
軽トラの普及率が非常に高い。
エロ本の入手が極端に難しい。
国政選挙のとき選挙カーが来ない。
取り敢えずラジオ体操だ。
町村名を付けた音頭がある。
東京は怖い、と信じていた。
とにかく老人が元気
薪を日常的に使っているところがある。
近所は同じ苗字である。
集落対抗運動会にみんな燃える。
大学入って帰省すると英雄扱いされる。
カラカラ天気が続くと水争いが起こる。
盆正月になると人口が倍になる。
実は自分は産婆に取り上げられた。
ガキのほっぺが妙に赤い。
林間学校が来る。
電柱が木製だ。
村八分が怖い。
プロ野球中継の「一部地域」である。
ツツガムシ病にかかる人がいる。
中学校の部活は5つ以下だ。
熊と闘って勝った親父がいる。
道路舗装率は50%以下だ。
尺貫法を理解できる。
学校に行くのに必ず一山越える。
標準語教育がある。
市外局番が五桁以上である。
半径10km以内にコンビニがない。
集会所が重要だ。
インタビューの回答に字幕が付く。
「お帰りなさい、故郷へ」の看板がある。
雑誌の発売日が3日以上遅れる。
ふるさと創生の1億円で変なものを作った。
夕刊がない。
NHKの受信料をみんな払っている。
冠婚葬祭を仕切るおやじが必ずいる。
回覧板が命の綱である。
持家率100%である。
正月になると挨拶まわりをする家が多い。
みんな山を持っている。
信号の数が極端に少ない。
12時と5時にサイレンが鳴る。
農協の職員が偉くて怖い。

ボットン:言わずと知れた汲み取り式便所のこと。「おつり」の意味が分かればかなりの通。
軽トラ軽トラックの略。田舎に行くと、肩で風を切って走っている。
エロ本入手可能な商店のおばちゃんは、困ったことに顔見知りである。
老人が元気と、いうより、若者がほとんどいない。
林間学校マッチの使い方さえ分からないガキどもが大挙して来る。
一部地域どんなに緊迫した場面でも、8:54になると容赦なく試合が終了する。
熊と闘う都会の皆さんは絶対真似をしないでください。
字幕地域によっては、方言が英語より難しい。
持家率100%そんなの当たり前。しかも広大な庭付きである。
農協「JA」とは決して言わない。

 よくぞここまで読む気になったな。途中で逃げ出すかと思ったぜ。取り敢えず誉めておこう。
 で、どうだった?まあいい。お前のその顔を見ればよくわかる。
 俺達は、今回敢えてこのチェックに合格点というものは設けない。まあな、設けたとしても合格点に達するはずがないだろうがな。
 じゃあな。今度会うときは、少しは俺達を喜ばす「カントリーボーイ」になっていろよ。

(ヌルハチ、ヒノケン)
イ」になっていろよ。

(ヌルハチ、ヒノケン)