テニスサークルの実態について

〜結局テニスサークルなんてこんなもん〜

 大学に入ったからにはいっちょ遊びまくってやろうという欲望がありつつも、広研ほど遊びに徹せない人には避けては通れない道、それが大学内に蔓延しているテニスサークルだ。二幸のテーブルをぶんどり、テニスバッグを背負って爽やかな笑顔で登校する彼ら。テニスサークルとは、入っていない人達にとっては「何してんだか知らねーけどずいぶん楽しそうじゃねーか。なんかお前らだけ得してんじゃねーか。いいよオレはあんなチャラいやつらとはちがうんだよ。」と考えがちなものである。そこでブロンソン編集部は独自のルートでテニスサークルの実態を探ってみた。


 入学式の日にテニスサークルに勧誘されなかった人はほとんどいないだろう。だれもがおしゃれっぽいお姉さんに声をかけられたはずだ。彼らの目的は「誰でもいいからとにかく声をかけまくって、1人でも多くの1年生に部費を払わせてしまおう」というものだ。硬庭連所属のテニスサークルはオリエン期間中しか入部できない。彼らはこの短い期間中にこれからのサークルを担う人材と、サークルの運営費用をゲットしなくてはならない。だからその間はおごりでお茶に連れていったりしてくれるし、4月中は飲みもタダだ。
 そんなウラ側があるとはつゆ知らず、楽しく4月を過ごした新入部員たちも、やがて様々な問題に直面することだろう。さて、それでは以下4月の時点ではなかなか見えてきにくい5つの項目について解説していこう。

1.テニスは金のかかるスポーツである。

先ほど書いたように、確かに最初のうちはおごってもらえる。しかし甘くみてはいけない。テニスとはお金のかかるスポーツなのだ。テニス初心者はまずラケットを買い、ウェアーを買う。それだけで万札が何枚も吹っ飛ぶが、それに加えて入会金や部費などを4月中に払わなくてはならない。しかも多くのテニスサークルでは新歓コンパがタダではなく、そのうえセミフォーマルである。さらに節目ごとの合宿で、高いところでは1回あたり10万近くが消えてゆく。こうして多くの若者が大金を浪費していくわけだが、半分位は夏までにやめてしまうものなのだ。

2.テニスをやめる理由

 やめる理由で一番多いのは、テニスというスポーツに見切りをつけるというもの。やっぱりテニスサークルという世界ではテニスができてなんぼだ。男は特にそうだから、女目当てで入ってきても挫折してしまう人が多い。そしてその次に多いのは恋愛関係のトラブルでやめる人。1女に告白してフラれてやめる男もいれば、告白されて気まずくてやめる人、果ては相手をみつけてさっさとやめていく人もいる。

3.テニスサークル内の力関係

 夏を過ぎても残っている人は、とりあえず1年間は定着するであろう人達であるが、そこでおいしい思いができる人は限られている。女の場合は1女のうちが華。あとは学年が上にいくにつれて価値が落ちていく。2女、3女で出てくる人は絶対先輩の彼女か元彼女だし、4女になって出てくるような人はテニスマニアだ。1女の間に彼氏ができなかったならそのサークルには見切りをつけたほうがいい。これに対して男の場合は学年が上がるとヒエラルキーも上になる。1男のうちはおいしい思いはできないと断言してよい。

4.テニスサークルの命、合宿

 夏になると合宿がある。たいていこれはサークルに所属しているなら必修。これに来ないと切られてしまう。5月にも新歓合宿があるが、夏と春は1週間あるし、特別なイベントだ。今まで就職活動をしていた4年生も終わって出てくるし、普段はあんまり出てこない先輩も顔を出したりする。だいたい合宿は前半に班を作って練習し、後半は試合をする。1年は弱いから当然早くに負けてあとは応援。なにしに来たのか分からない状態になるが、1年だからしかたない。1男は毎日の飲みでつぶされても就寝時間と集合時間は守らなくてはいけない。

5.テニスサークルの体質

 テニスサークルは変なところで体育会的な面が見られる。例えば応援。塾内や関東連盟の硬庭連サークル同士のリーグ戦の試合では、かなり熱の入った応援が見られる。しかしウィンブルドンで分かるように、テニスは静かに観るスポーツだ。ゆえに打ち合っている間は騒いではいけない。合間に声援を送る。それも「先行」「挽回」「ナイスキープ」「ブレイク」などの意味不明に近い言葉を連呼する。1年生に応援の方法がうまく浸透していないと、2年生が上から怒られる。試合のボール拾いに命をかけていて、相手サークルにボールを拾われると怒られるようなところもあるらしい。普段の練習でも「ファイト」「ナイスショット」「ジャスト(惜しいときに使う)」といった声出しが小さいと、上から怒られたりする。

 まあ、こうして楽しげに見えるテニスの裏側を書いてはみましたが、結局楽しいか否かを決めるのは本人。これは参考程度にとどめておいてください。でもやっぱりテニスサークルを楽しめるひとというのはテニスの好きな人。そして性格的に言えば、活発かつ真面目で明るい猪突猛進タイプが向いているんじゃないでしょうか。まあなんだかんだいって、意外と大学デビューの人が長続きするという現実もあったりするので、とりあえず皆さん、頑張って悔いのない大学生活を送って下さい。(証明写真)

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