バスカードにおける運賃の払いすぎについて
バスカードで運賃を支払った時,運賃が高く徴収されるという噂に関して,実際に運賃の払いすぎが起こることがあることがわかった。
これは,バスカードの支払いに参照される運賃表が,実際に切り替わるバス停の手前で切り替わってしまうことに由来するところからの取りすぎである。
具体的には,
バス停A−−−バス停B−−−バス停C
↑ここで料金が上がる
という設定の運賃が,実際には,
バス停A−−−バス停B−−−バス停C
↑ここで料金が上がってしまう
という誤動作を起こすことにより,バス停Bで降りる人間が,次の区間までの運賃を徴収されることになってしまう。
実際に,1997年2月8日夜9時過ぎの上田線下り,黒石野1丁目のバス停で,かかる現象が目撃されている。
この形での運賃の取りすぎは,たかだか1区間分で,金額にしても,上記の実例の場合で30円程度に過ぎない。ただ,この30円という金額は,このバス停で降りる場合の最高運賃の1割強,その他の区間ならそれ以上になる。カードの割引額がたかだか1割強である現行のバスカードのシステムを考えると,確かに運賃の取りすぎであると言える。
この現象は,カードが,機械的に変化する運賃表によって料金を徴収されるシステムに因っているという事から,プリペイドカード特有のものである。実際に小銭で運賃を払う者や,定期券や回数券(現在は廃止)でバスに乗る者にとっては,そう問題になることはないはずである。
また,終点まで乗る人間にとっては,この形で運賃が取りすぎになることはない。常に自分の乗った停留所からの最高料金で降りる形になるからである。
バスカードを使ってバスに乗る人間は,料金表が正しい区間で切り替わっているか,確認しながら乗る必要があると考える。
補足事項
1996年10月1日より,岩手県交通の盛岡発着路線のほとんどで,プリペイドカード方式のバスカードが導入された。
このバスカードに関して,導入当初より,「運賃が実際より高く取られることがある」という噂があり,岩手日報の読者投稿欄にも同様の投書が掲載された。また,これに対する対策かどうかは定かでないが,岩手県交通側も,
「バスカードで乗った区間はバスカードごとに全て記録されているので,利用者の請求に応じ,各営業所で料金に関するチェックを行う」
とのコメントを12月に出している。
さらに補足事項
この形式で、得をした人もいるそうです。あえて報告者の名前は伏せさせていただきますが、上田線で「岩手大学前」で降りたところ、値段表がその一つ前の停留所「一高前」のものになっていたそうなので、ちょっと得したことになりますね。
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