5枚1000円!なんでそんなに安いの?

テレホンカード安売りの秘密

 このたび、公衆電話料金が値上げされる。市内通話3分10円が90秒10円に、そして4月からは1分10円に値上げされるのだ。
 このNTTの暴挙とも呼べる行動に、私たちはどう対処すればよいのだろうか?やはり、テレホンカードを安く入手するしかないであろう。渋谷に、横浜に、新宿に、金券屋がいっぱいあって、特にデザインのことを気にするのでなければ、1割引き程度でテレカが購入できる。
また、テレカというものは、よく販促用の景品として配られたりもする。これを集めるのもよかろう。
 ところで、今回紹介するのは、偶然ながら、これらの方法よりもっと効率のよい方法で、破格の値段でテレカを入手した人の話である。ここにその人とのインタビューを掲載する。

−どうも、取材協力ありがとね。で、きっかけはなに?
「5月のはじめかな?千住のアメージングスクエア(注1)行った帰りに、焼き肉食いに行こうと思って、上野公園の入り口の前を通ったら、イラン人が話しかけてきて、『テレホンカード買ワナイ?』って聞いてきたんだよ。」
−で、どうしたの?
「これはなんかあるな!って思ったから、『いくら?』って聞き返したら、『5枚デ1000エン。ナンマイ買ウ?』って言うんだよね。とりあえず、1000円札だして、『5枚』っていったら、ポケットからこーんな(注:5センチ弱)のテレホンカードの束、取り出して、上から5枚とって、『そこの階段の上にデンワアルカラ、確カメテ。105度数ナカッタラ、交換スルカラ。』っていうんだ。なんか怖くなってさ、『あ、いいよいいよ。』なんていっちゃって、そのまま帰ってきたんだけれど。」
−それで、そのテレカって、使えたの?
「うん、これこれ。(といって見せる。表から見ると何の変哲もない普通のテレホンカードだが、裏側にはシールが使用度数の分かる穴を塞ぐようにしていて、しっかり『50度数』なんてかかれちゃったりもしている。)で、だいたいどこの電話でも使えたけど、日吉の駅前のBOX にあるみたいな、液晶の窓のある黒い奴には使えなかった。」
−でも、それ以外の公衆電話には使えるんでしょ?
「今はそうだけれど、9月までにはみかか(注2)、電話、全部、改造しちゃって、使えなくするみたい。これから料金高くなるっていうのにね」
−え、使えなくなっちゃうの?
「そりゃ変造テレカ(注3)って、やばいから。まあ、そのときはそのときで、また誰か新しい方式で作るんじゃない?どうも作ってるのはイラン人じゃなさそうだから。」
−って、だれが作ってるの?
「やばいったって、別にその筋(注4)の人たちじゃないみたい。中国系じゃないかな。」
−ふうん、でももう使えないんじゃしょうがないね。
「だから、今イラン人も安売りしてんじゃないかな?この頃あの辺行ってないからよく分からないけど。ほら、俺の時で5枚千円だったでしょ。7枚とか、10枚で千円にしている可能性ってあると思うよ。」
−んな、そんなに安くなるの?
「使用済のテレホンカードって、目方でドン!みたいな感じで、金券屋で売ってるらしい。機械(注5)がないと作れないけれど、かれらはもう持ってんでしょ?」
−まあ、そんなもんなんだ。
「俺の知ってることったらその位の事だよ。じゃあね。」

 なんか、ただ、お得な話だと思っていたら、とんでもなくやばい話だったみたいだ。とりあえず、この記事を読んでいる塾生諸君は、この人の真似をしないように。真似してつかまっても、J研は責任取らないからね。

※1 東武線、京成線、どっちからでも行ける、アミューズメントパーク。本当に千住にあるかどうかはしらないが、とりあえず上野のそばであることは確か。
※2 NTTのことらしい。「金田一少年の事件簿」(注6)参照のこと。
※3 使用済のテレホンカードの磁気部分をを書き替えて、また使えるようにしたテレカ。どうも、彼が買ったテレカは、結構やばいものだったらしい。
※4 言わずと知れた、やーさまのこと。
※5 原理はものすごく簡単だが、1つだけ入手するのが難しい部品があって、一般人にはなかなか作れないらしい。
※6 週刊少年マガジン連載中の、推理マンガ。主人公の行く先々で必ず人が死ぬ。(来られた奴には災難としかいいようのない主人公だ。)


人公だ。)